2025年10月 東洋大学教育学部「教育学部の学生と考える”自分らしさ”とは?」









最近は自身の過去を知る”先生”からの依頼も多くて…!
今回も高校時代の音楽教師であり、さらに小学2年時の入院中にもお世話になった方より2年連続の要請があり、お邪魔させていただきました。
さらにその話を聞いた教授の推薦もあり、前年のゼミでの講話から大幅にスケールアップし、同大学の『SDG’s Weeks2025』における特別講義の位置づけで開催させていただけることに。
加えて今回は「プロとして」ということで、ある斬新なリクエストにも挑戦することになりました。
『(学生を)大人扱いしてあげて!』
日頃から(どの年代にも通ずると自信を深めている)確固たる授業スローガンを持っていたり、とにかく一方的に教えるのではなく、こちらから学生さんの目線に下りていって同じ位置で対話することを信条としている私にとって、その依頼は当初、1つの武器を捨てるような感覚と確かな戸惑いがありました。
「いつものスタンスが使えない」
「必ず行ってきた問いかけをしない」
今までのアプローチじゃダメだったのか。
分かっている前提は、一歩間違えれば”置いてけぼり”を作り出すことにならないか。
資料作成当初からギリギリまで悩み、早い時は1ヶ月前に資料を納品することもある男が、今回は 本番5日前に完成の連絡をするほど試行錯誤を繰り返し、新たな形に辿り着くことができました。
依頼者である教員と実施者である私が納得いくまで伝え方を突き詰めたからこそ、大人として葛藤しながら日々を生きる学生の皆さんに、その想いがダイレクトに届いたのかなと思います。
授業構成(※解説)
「日本一長い自己紹介をします!今日はこれ1本だけ(笑)」とユーモラスに第一声。
いわゆる一般的な自己紹介はそこそこに、まず①幼稚園・保育園児、小学生、中学生、高校生、大学・専門学校生、社会人(大人)の各カテゴリーごとに関わりのスタンスと「その日のゴール」を決めていることを伝えました。
次に②その時期を自分がどのように過ごしてきたのか。そして③各世代に対してどんな授業を行なっているのか、自らの教育法を写真とそれぞれのスライドの問いかけまで明かしながら、1つずつレクチャー。
こうした構成を取ることで、学生の皆さんの中で私の過去と今が繋がり、「無駄な経験などない」ことや、「過去の失敗が誰かの勇気や説得力になり得る」ことに気づくきっかけになればと思っていました。
その上で、最後に伝えたのは「各年代には好きだから関わっているんだ」ということ。
そして、どうせなら「自分のここがコンプレックス」というようないわゆるマイナスな側面ではなく、『俺は私はこれが好き!』『今こんな夢に向かって努力をしている』というように好きなことで自分らしさを表現できる人になってほしい。
でも、たまにはホッとひと息ついて休んでいる自分も好きでいてあげてね!とも話しました。
大学スタッフからのリクエスト、④それぞれの(分野の)教員を目指すあなたに期待すること にも、共感の声が多数寄せられました。
「学生を大人扱いしてほしい」の真意はきっと「子ども扱いし過ぎない」ということだったんだろうな、と今となっては思います。
ともに教育を学んできたからこそ、余計なことを言わなくても、私の苦労やライフスタイルについては自分たちである程度想像できる。
ならば今回は私の”同志”である後輩たちに、今の自分が心から大切にしていることを丸ごと届けよう!
学生たちからの「心に響いた」「惹き込まれた」「関わりのスタンスを参考にしたい!」
こうした声だけでなく、授業後に届いたたくさんの質問にもすべて回答しながら、早くも次の準備を始めています。
『どうせなら、好きなことで自分らしさを感じよう^ ^』
そう彼らに伝えたからには、この先も誇りを持って学生たちと向き合っていきます。この仕事が大好きだからね!
授業後のアンケート


(撮影&ヘアスタイリング:須藤 保塩保塩)




