2025年9月 東久留米「自由学園」





















「今年は今年の課題があるんです…!」
昨年の協働を経て、もはや友人を超えて同志のような関係で結ばれた私たち。
当初、今年は高校生にお願いしたい…!なんて言われていたのですが、現場は色々あるようで急転直下、今年も同時期の中学1年生とご一緒することに。
何はともあれ、継続して任せてもらえるのが信頼の証のような気がして何より嬉しい!
(※具体的な課題をここに記すことは控えますが)2ヶ月前の事前打ち合わせの中で見えてきたのは、「言葉の危うさ」や「想像することの難しさ」、そして「相手を思いやる余裕のなさ」といったところ。
ただ1人、引き続き中1を担当している同志からは「(生徒たちが)ふだん無意識に使っている言葉がどんな意味を持って相手に響くのか、自覚させて少し危機感を持たせたい」という、切実かつ切迫した想いも寄せられました。
さて、去年から何を残し、どこを削り、いかに加えるべきか。現場の熱量に真正面から向き合って思案と熟考を重ねた結果、直前になってタイトルを変更するという決断に至りました。
『大切な気持ち 大切な言葉』
こだわったのは(課題があるからといって)生徒たちの言動をハナから変えにいこうとするのではなく、まずは「どうしてそんなふうに発言してしまうのか」 その原因となっているであろう胸の内を、こちらからしっかりと探求すること。
そのために、
- 「言われて覚えている言葉、ある?」
- (言われて)傷ついた言葉、(もしかして)相手を傷つけてしまったかもしれない言葉を思い出してみよう!」
- 「自分が”障害者”って言われたらどんな気持ち?」
など、かなり踏み込んだ対話とグループワークを実施。
それは「友達の”嫌”のラインを勝手に決めがちで、”正解”を自分たちの軸で判断してしまう傾向がある」この時期の子どもたちにとって、【周囲に目を向ける】最初のアプローチとして必要かつ最適な方法だと確信を持つことができたから。
昨年にも増して熱心に課題と向き合って分析し、私に打ち明け、この状況をなんとかしたいと思案する先生方と90分に迫るオンライン打ち合わせも行った今回。
またしても生徒主導の実行委員を出してくれただけでなく、直前には(少しでも授業効果を高めたいと)事前学習の実施と、そのテーマに関する相談までいただきました。
そこで私からは、シンプルに【この授業が終わったらどんなクラスにしたい(それに向けて動き出したい)?】かをみんなで話し合っておいてほしい、とお願いしました。
授業構成概要
そして迎えた当日の授業構成概要は以下のとおり。(120分+α)
- ふだんの生活〜ヘルパーにお願いしていること〜
- 車椅子に乗っているボクのこと、どう思う?
- ボクとみんなの同じところ、ちがうところ
- どんなクラスにしたい?ー事前学習よりー
- 授業スローガンー改めて、大切にしてほしいことー
- ちがいも同じも真ん中に
- ありのままの姿で、いつもと違う気づきを
- ”3つのワーク”とクエスチョン
- ふだん使っている言葉&心の中を覗いてみよう!
- 言葉ってホントに消えるもの?あなたが残したいのはどっち?
- 最初から言葉が得意だったわけじゃない
ー僕の中学時代までの話ー - (僕が)子どもから大人になる中で学んだこと
- 「障害を忘れられる瞬間」の大切さ
- 本当に説得力を持って話せるのは自分が経験したことだけ
- メッセージー中学生は”夢”へのウォーミングアップ!ー
- キミたちが目指すクラスに向けて、どう動く?
- ちがいの大切さ
今回は授業の”現在地”を常に視覚的に理解できるよう、【講演・対話・グループワーク・発表・質問】の5つがあることを終始意識づけられる工夫をして臨みました。
「いざという時に思い出してもらえる存在になりたい!」
…何か困りごとがあった時に現場に寄り添い、一緒に伴走できる切り札として。
後日届いた生徒たちからの感想や先生方からのフィードバックが、当初からの私の願いや目標に1歩近づけたかもしれないことを、確かに教えてくれました。
これからも皆さんの味方でいます。
今年もたくさんの学びを本当にありがとうございました!
(撮影・編集:須藤保塩)




