Try chanceの1年を振り返ってみた!〜今年も1年ありがとうございました〜

Ryo室日記をご覧の皆さんお久しぶりです。Try chance(トラちゃん)代表の長野です。

つい先日オリンピック・パラリンピックが終わったと思っていたら、あっという間に年末になっていました(…苦笑)トラちゃんの発足→コミュニティの熟成に注力したこの2年は、まさにイベントの新しい形を模索した日々でもありました。

長野が1人で喋る、ゲストに講演を依頼するというステップを経て、今年は対談や座談会という新たなスタイルにもTryしました。2021年は日々刻々と変化するウイルスとの向き合い方を受け入れつつ、毎月皆さんと場を共有できたことが何よりの収穫です。
 
来年は寅年🐯
2022年はまた次なるステップを模索しつつ、皆さんに喜んでいただけるような良質な場の創造を目指してまいります。

それでは、今年も様々なドラマが生まれたTry chanceのメイン事業:【Ryo室空間】のこの1年をダイジェストで振り返ります。

1月:「知らない世界を知る楽しさを!」
-親友Hoshioと語る美容師からヘルパーまでの道のり

今では僕の日常生活に欠かせない存在となっているHoshio

もともとの肩書きは「車椅子専門美容師」でした。それがふとしたことから僕のヘルパーとして働いてくれるように…。

当日は友人であり、日常をよく知る間柄だからこそ生まれるリラックスした雰囲気で「美容師としての顔」と「ヘルパーとしての顔」(スタンス)に違いはあるのかなど、本音を伺いました。

一方で、この日がRyo室初の本格的な対談イベントということもあり、今後につながる課題がたくさん見つかった回でもありました。2022年のリベンジに乞うご期待!

2月:【オンライン1周年特別企画!】
Stay homeの今だからこそ・・・「みんなでおすすめ本を紹介し合おう!」

常々「変わりたいと思った時が変化のタイミング!」と言っていますが、日常の変化に対応してオンラインに切り替えてからちょうど1年となった今回。

少しでもStay homeを楽しむべくみんなにおすすめ本を紹介してもらおうと思いました。

「知り合いのおすすめなら間違いない!」 これもメンバーを信頼しているからこそできる企画^^

「人生が変わった」「辛い時に救われた」「子どもの頃の思い出なんです…」など、それぞれが想いおもいのエピソードを語ってくれました。

僕も執筆家の1人としてそんな文章が書ける人になりたい!

改めて、そんな決意が芽生えた回でもありました。

3月:もしも今、地震が起きたら・・・!?
〜車椅子安全利用コンシェルジュの久内純子さんと防災について考えたい!

あの日から10年…。そんな節目を迎えた時、こうして団体を運営し、多くの方々に囲まれて日々を過ごすことができていることへの感謝が自然と湧いてきました。だからこそ今、防災について考えることに意味があると思ったのです。

そんな想いでお呼びしたのは車椅子安全利用コンシェルジュの久内純子さん。

日頃から地域の防災会議にも参加されているという久内さんは、車椅子ユーザーの目線に立った防災の知識もとても豊富。

前半は、「アウトレットで帰宅困難者になったあの日のことが忘れられない」という長野から実際に生き延びるまでの【24時間体験記】が語られた他、後半では皆さんがやっている防災対策に久内さんから的確なアドバイスも送られました。

終了後には(その場でメモが取れない参加者のためにダイジェストスライドも共有して下さり、有り難かったですね!

Ryo室の参加者の多くが”防災弱者”になりやすい側面を持っているからこそ、防災については引き続き、皆さんと考えていきたいテーマです。

4月:【バースデースペシャル対談】33(ミミ)を澄まして聞いてほしい!
〜つながりを創り未来を変える発信とは?!〜

「いつか一緒に何かやりたいね!」

そんな話をしていた今年の初め。それからほどなくして知った話ですがなんと私たち、誕生日が1週間ちがいでした(笑)ニアミス!『だったらいつやるの?今月でしょ!!』

…というわけで実現したコラボイベント。打ち合わせは1ヶ月前に1度きり!しかも大半が全体と、前後半のタイトル決めに終始するという(やっつけ感…笑)

いやいや、そこはお互いが【彼とならぶっつけの方が楽しいでしょ!!】という確信と絶妙の信頼感があったからこそ、33歳になりたての”今”だからこそ語れるライブ感をお届けできたのではないでしょうか。

 障害との出会い方はそれぞれ違うし、辿ってきた境遇や感じてきた悔しさや苦労だって、もしかすると違ったかもしれないけれど、多くの人たちに囲まれ使命感を持って発信している今、感じている喜びはもしかしたら同じなのかもしれない。

前半で”互いの過去”、後半で”描く未来”を語りながら、りょうちゃんはじんわりそんなことを考えていました。
 
これからもそれぞれが「前向きな発信が生む価値」と自分の可能性を信じ、得意な方法で発信を続けていきます。聴き上手でいつも気分を上げてくれるとりちゃんの団体『とりすま』とトラちゃん🐯で来年は団体としてもコラボ、できるかな!?

当日、男2人のプレゼント交換も含めて温かく見守って下さった皆様も(笑)、本当にありがとうございました!

5月:【困りごと✕新天地】あなたは周囲にどう伝える?

この企画はシンプルに、みんなで5月病を防ごう!という気持ちで準備をしていました。

前半は久しぶりに長野から講演形式で「ネガティブとポジティブにまつわる話」が語られました。

「ネガティブだと思われている人は、物事を冷静に判断できる人」→ネガティブもポジティブに転換できるんだよ! こんな話をしたけれど、皆さんはどんなふうに受け止めてくれたかな?

そして迎えた後半は、みんなの日常に焦点を当てて具体的な伝え方を考える時間。参加者から挙がった【ネガティブなことを1つ伝えたら、(同じ数だけ)ポジティブなことも一緒に伝える】という妙案に、一同ハッとしました。

5月以降、皆さんが職場で快適なワークライフを送ってくれていることを願います。

みんなの“障がい“を持ち寄って、本音を物語として共有し合うことで、どんな価値が生まれるだろう?


(*新メンバー:とっしーこと、飯塚俊幸デビュー戦!)

「将来は自分のコミュニティを持ちたい!」「障害があっても健常者の中で混ざり合い、それぞれが特長を生かして働ける会社を作りたい!!」
 
とっしーからそんな相談を受けたのは、2020年の暮れのことでした。

それから実現のタイミングを模索し準備を進めること半年。(少なくとも前者ならお手伝いできる…!ということで)既存のメンバーの力も随所に借りながら形にしたのが本イベント。

企画・製作・プロモーションといった一連の主要部門はすべて彼のアイデアに身を委ね、自身はまさにアシスタントプロデューサーに徹しました。

そして展開された2時間では主に”ストーリートリオ”という手法を用い、話し手・聴き手・フィードバック役に別れて、1人の話をじっくり味わう【ヒューマンライブラリー】という企画を実施。新しいコンテンツということもあり、当日は長野が話し手を務めました。

(イベントの)作り手が変わってRyo室にまた新しい風が吹いたこの日からさらに半年。彼は今2つ目の夢を実現させ、農業をベースにした『株式会社ひとなみ』を設立し、新たな障害者雇用を生み出そうとしています。

大きく大きく羽ばたいていってくれた彼の活動をこれからも応援しながら、来年はまた一緒に何かコラボできたらいいなと思っています。

7月:優先と専用をどう捉える?
権利の”平等”と”特別”(対応)の境界線をみんなで一緒に考えたい!

気付けば夏休みも間近に迫り、世相も相まって今年も車での外出が増えるだろうと予想した中でひらめいたのがこの企画。

【優先と専用をどう捉える?】というのは障害のある方(※特に車椅子ユーザー)にとって一生切り離せないテーマだと思いました。

ダイバーシティやユニバーサルデザインの広まりによって、近年は(言うまでもなく)様々な場面で【車椅子・ベビーカー優先】がスタンダードになっていますよね。エレベーターも施設の駐車場も。(はっきり”専用”という表記で別れているのは高速道路のETC専用レーンくらいかな?)

つまり、他の人が使っちゃいけないなんてことはことはないし、特に多機能トイレなどはLGBTQの人なども大いに助かりますよね!

けれど問題は『ここしか使えない人が使いたい時に、本当は他の場所でも使える人たちで占領されている』こと。こうした問題の解決策をみんなで一緒に考えたくてこのテーマをセレクトしました。

[該当者は有料、他にも選択肢のある方は無料]…そんなふうにするのは簡単かもしれないけれど、何かもっといい方法ないのかなぁ(と、今でも思っています)^^

8月:車椅子YouTuberつばさに聞く!
-『19歳の僕の夢』-

「遂にRyo室にオリンピックの聖火ランナーが来た!」
 
その主は”車椅子Youtuber”つばさ。(会えなかった時期もありますが)彼との付き合いは今年で11年目。初めての出会いは私が22歳の頃まで遡ります。8歳の少年に(実習生の自分が)国語の授業をしていた頃が懐かしい…。

そんな彼はあっという間に大学生になり、学生生活を謳歌する一方、いつの間にかYoutuberになっていました。当日は僕の知らない幼少期の話や学齢期に感じていた葛藤など、知られざる想いを聞いたり、前途洋々の未来に想いを馳せたり…。

こちらまでワクワクしてしまう夢の数々に「若いっていいな!」って思いました(笑)もしかして大学を卒業する頃には、ビックスターになっているかも!?

9月:日々是幸日 幸せのヒントをあなたに-みんなの想いに価値がある!

(※代表:長野の出版記念イベント)

待ちに待った2作目を出版し、ようやく落ち着いてきた9月。出版記念イベントの開催は、長野にとって2年越しの悲願でした。

誰とやるのかを考えた時、『せっかくなら(普段はあまり話せないような)深いところまでお話ししたい。それならば、どんな想いも否定しない”絶対的安心感”の中でやりたい』。そう思いました。

そして真っ先に浮かんだお相手こそ、インタビューライターの田中美奈さんだったのです。

(※美奈さんがイベント後に書いて下さった記事はこちら→https://note.com/mina37tanaka/n/n8b9a7e4341b8
 
学生時代に教育を専攻し、福祉の職に就を経て、現在はフリーライターとして活動しているなど、たくさんの共通点でつながった私たち。

だからこそ(出版記念イベントとはいえ)お互いが聴き手にも話し手にもなれるような良質な時間を届けたい。そんな想いで前半は自ら美奈さんにインタビューをさせていただきました。もちろん、自らも”絶対的安心感”を届ける気持ちで。

同じフリーライターであっても伝えるためのアプローチが異なる私たちだからこそ、『みんなの想いに価値がある!』ということを伝えられたのではないかと思います。皆さんからの温かいコメントも嬉しかったです^^

10月:【約1年半ぶり!】オンライン飲み会^^

東京オリンピック・パラリンピックが終わっても、この時はまだ収まる気配がなかったコロナウイルスの猛威。スタッフとも半年以上会えない中、密かに企画していた野外アクティビティも中止を余儀なくされる状況に…。

そこで万一を想定していたオンライン飲み会を20:00〜21:30で開催しました。

多種多様なメンバーが集うRyo室空間では、いつものルーティンがあることも参加のハードルを下げる1つの重要な要素。果たしてどれだけの方が参加してくれるのかと少し心配しておりましたが、10名近い方々とともに秋の夜長のリラックストークに花を咲かせました♪

11月:「教育は受けるもの?」―常瑠里子さんと考える、自分らしい生き方―

『Ryo室にぜひ紹介したい人がいるんです!話を聞いてほしい人がいるんです!!』

そう6月加入の新メンバー:石田祐里さんに言われたのは8月末のこと。

彼女はちょうど1年前、【あなたもわたしも特別だから】という名言を残した視覚特別支援学校教員経験者。そんな彼女が新天地で出会い、尊敬してやまないのがエデュケーターの常瑠里子さん。

ならば3人でイベントを創っていこう!という話になり、実現したのがこのイベント。

るりさんの信念は「自分の人生は自分で決める!」

当日は3人の共通点である”教育”に焦点を絞りましたが、モデレーターのゆうりさん指揮のもと友人同士だからこそ創り出せる自然で温かい雰囲気の中、るりさんの魅力や溢れるバイタリティの原動力をじっくり聴くことができました。

新しい出会いも多数の今回でしたが、後半には参加者の皆さんが体験した【ほっこり教育エピソード】もたくさん共有することができ、とても楽しい2時間でした^^

ゆうりさんとるりさんのイベントレポート

12月:【Ryo室座談会】その声掛け、誰かを傷つけてない?〜年相応の声掛けについて考える〜

来年につながる企画を考えていた時にフッと思いついた新たなスタイルが”座談会”でした。

きっかけはブログ読者から直接届いた1本のLINEでした。

『褒める事がすべて、相手にとって嬉しい感情に繋がる訳ではないと気付かされた』と感想を寄せて下さったその日のブログには、小学校で講演を行った長野が子どもたちとの関わりでこだわっていることが書かれていました。

「必要以上に子ども扱いをしない」というこだわりは、自身が街を歩いているだけで”すごいね〜””えらいね〜”と言われた経験から育まれた違和感によるもの。でも、子どもや自分の子どもに限らず誰かを褒める機会はたくさんありますよね。

そんな話題提供を経て行った座談会では、「年上の方には”褒める”じゃなくて”感謝を伝える”の方がしっくりくる」「名前で褒められると嬉しい」「褒める時に年齢は関係ない(子どもも1人の対等な存在)」といった声が聞かれました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

皆さんいかがでしたか?

寅年の2022年も主客一体、参加者の皆さんとスタッフが一体となって良質な場づくりを目指してまいります。今年も1年大変お世話になりました。

どうぞ良いお年をお迎え下さい。

Try chanceスタッフ 一同

(*当サイト製作リーダー:木村 理

このブログを書いた人

長野 僚
長野 僚Try Chance 代表
『障害を忘れられる瞬間』を掲げ活動する執筆家・講演家。脳性麻痺、1人暮らし10年目。2019年4月に本を出版。

2020年4月に『Try chance』を旗揚げ。「おかえり」といつでも言えるような温かい居場所『Ryo室空間』を創ることを目指している。 全国の子どもたちに元気を届けるのが次の夢!