気付いたら1年経っていた! ~Try chance のこれまでのリアルとこれからを少し~

お花見ができなくなって2度目の桜の季節。皆さんはどんなふうに過ごしていますか?Try chance代表の長野です。

年明け早々の緊急事態宣言に「またか!」と戸惑ってしまったのは僕だけではないと思います。今は皆が共通してコロナウイルスという”障害”に悩み、感染症対策に勤しむ日々を過ごしているのではないでしょうか。

こんな”弊害”はみんなで乗り越えていかなくちゃ!

そんなふうに考えられている自分をたまには褒めてあげないと、イヤになっちゃいますよね(皆さんも色々ガマンできている自分を褒めてあげて下さい)^^;
大人になると自然と褒められる機会が減ってきますから。

僕は常々、障害とは病名ではなく「1人ひとりが感じている困難さや悩み、不安や嫌なこと」だと伝えています。

こうした感情を否定する必要はないし、すべて自分の中にある大切な想いなんだと受け止めて、許してあげて、分かち合うことで一緒に前に進んでいこうよという想いを込めて。

それらを体現するために、まずは僕が『挑戦すれば道は拓ける!』という希望を1つの形として届け、皆さんに魅せていきたい。そこに集った人たちと、みんなの得意を活かせる社会を創っていきたい。

そんな思いで【トラちゃん】(Try chance!)を立ち上げました。

今回は団体発足1周年を記念して、皆さんとこれまでを振り返ってみたいと思います。少し長くなる予感がしてますが(苦笑)、お時間のある方は最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

Try chanceとしてやってきたこと


*メンバーが「イベントで説明がしやすいように」と作ってくれた図

1)Ryo室空間・・・なんといってもまずはコレ!

2019年12月の開始当初は[長野 僚 講演会]という名前でやっていたのですが、スタッフが増えてきたタイミングで「講演会というのはちょっとちがう気がする。
せっかくみんなの居場所になってるし一方的に聴くだけの講演会じゃないから、新しいネーミングを考えよう!」という声が挙がり、僕が精一杯ひねり出した名称。

当時はこれほどオンラインが続くことになるとは思いもしませんでしたが、今となっては良質なコンテンツの提供を目指すことはもちろん、(僕の部屋からでもあなたの部屋からでも)どこからでも参加できるよ!というつながりと、どこからでもどんな形でも続けていくという、僕たちの想いが詰まった言葉に深化してきていると感じます。

Ryo室空間の詳細はこちら

2)ながラジオ・・・

オンラインが増えてきた中で、より画面の向こうで聴いて下さる方に向けて語りかける意識とスキルが必要だと感じ、始めた月に1度、30分の生配信。自身の声と喋る時の表情にコンプレックスはあるものの、トークスキルを磨いていきたいという気持ちが勝り、なんとか続けています(※2月はできませんでしたが近々再開を予定)。

実は、以前から応援させていただいている団体が毎月オンラインで活動報告をされているのを見て、「こうして毎月サポーターさんの声を聞き、触れ合えるのはいいな!」と感銘を受けたのがきっかけだったりします。

ながラジオの詳細はこちら

3)2つのブログ・・・【Ryo室ブログ】&【note】

もともとはフリーランスの原点となった「書く」というスキルを(出版後も)落とすことなく向上させたいという想いから、編集者の勧めもあって始めた【Ryo室ブログ】。

2年にわたって日々感じたことを正直に発信し続けてきたが、昨春から【note】も開設。

もっと広くたくさんの方に知ってもらえるよう、こちらには主に読み物としての作品や、過去の蔵出しエピソードなども適宜公開している。

4)Ryo室日記・・・

本サイト内で不定期で公開している良質な記事。

サイトオープン当初はなかったが、「団体の活動はもちろん、その活動のヒントになっている学びももっと発信したい!」という長野の強い意向を受けて常設化が決定!

目指したのは誰もやったことがないスタイル!全員参加型のコミュニティ!!

世の中にはすでに、様々な困難を感じながらも当事者としてご自分の想いを感じている方々はたくさんいます。

団体や”場”を運営するにあたり、それでも今、僕が発信する意味は何か。『僕にしかできないこと』は今も考え続けています。

こうした想いについては代表あいさつ】の中でじっくり語っています!興味のある方はぜひご覧下さい。

その中で感じたのは「1人ひとりが皆当事者」という意識でした。

当事者の前に何を付けるかで誰もが当事者になり得る。そして、本当に説得力を持って話せるのは自分が経験したことだけというのが、譲れない信念になりました。

例えば、すでに大学を卒業してしまった僕は現在、大学受験に悩む当事者ではないし、実家暮らしに悩む当事者でもないからそういう相談はやっぱり、今まさにその問題に立ち向かっている人たちに聴いてもらった方がいいと思っているんです。

僕の毎日は常に”自分ごと”探し。

もし自分がやるなら何をしようか(何ができるのか)。考え続けた結果、『経験を語ることで誰かを元気にしたいと願い、その機会を探している人たちに、挑戦のきっかけ、 “Chance” を与えたい!』 そんな場を創りたいと心から思っていることに気付きました。

僕がそうであるように、誰かの役に立つことを願い、自らの強みを活かして貢献したいと望む人たちに、1歩を踏み出す場所ときっかけを提供したい!というのが、Try chance発足を決意した最大の理由です。

Try chance の出発点~僕には背中を押してくれる人が必要だった~

「やりたいことはあってもどうすればいいか分からない」

『経験を語ることで・・・』なんて言いながら、僕も漏れなくその1人でした。

何から始めたらいいか分からない。こんなふうに最初の1歩で悩んでしまう方は多いと思います。あなたと僕はめでたく仲間ですね(笑)

僕の場合は特に重症で、近所に最適な場所があったにも関わらず、ずっと踏み出せずにいました。

心の奥に眠るやりたい気持ち(=本根)にブレーキをかけてしまっていたのは、「誰も来なかったらどうしよう、失敗したらどうしよう」という未来への不安でした。

でも、今になって思うのは、何事もやってみなければわからないんですよね。

告知も宣伝もしていないんだから誰も来るわけがないし、失敗かどうかを決めるのは主客一体で場を創って下さっている参加者の皆さんなんだと、回を重ねるごとに強く強く噛みしめています。

(※主客一体とは・・・イベント開催に向けた準備を行うのは確かに主催者を中心としたスタッフかもしれないが、当日はお客さんと一体となって創り上げることが大切という意)

幸い、僕には救世主が現れました。

人とのつながりを大切にしてきたことがここで活きるんだと思いました。

実はトラちゃんのハートフルカメラマンこと木村とは、今から1年半ほど前にユニバーサルスポーツを軸とした別コミュニティで出会ったのです。

テクニカルチームデザイナーの浅原現名誉顧問でスペースコーディネーターの栗原の2人に至っては当初、参加者としてのスタートでした。

浅原と僕には互いに愛してやまない共通のメディアがあり、元々はそのイベントにゲストとして出演していた彼女の話を聴かせてもらったことがすべての始まりです。

そんな繋がりが結果として始めて間もない僕の講演会にお子さんとともに足を運んでくれるという奇跡を生み、その会場で2年半ぶりの再会を果たしたのはまだ記憶に新しい約1年前のこと。

今ではそのお礼に自ら娘さんの学習支援を買って出たりと、持ちつ持たれつの関係を築いています。
(※詳細は半年前のRyo室日記をご覧下さい)

そして2021年からは自らの障害を武器と言い切るパイオニア、とっしーこと飯塚俊幸を新たに迎え、個人の夢も後押しし合いながらより良い形を模索し続ける日々。(こちらも詳しくはサポートチームを参照)

昨年夏頃、緊急事態宣言が解除されたタイミングで半年ぶりに集まった。いつも裏方として会の運営を支えてくれているハートフルヘルパーも一緒に。
(※もちろん仕事中ではありません)

団体ロゴができるまで

ここまで活動を始めるまでの想いやストーリー、欠かすことのできなかった人との出会いとつながりについて、お話しをしてきました。

何か新しいことを始める時、そこには必ずきっかけ(となる出来事)があって、継続するために必要なモチベーションがあって、そしてもう1つ、己の苦手を補ってくれる他者のバックアップがあります。

長野はこうして書くことはできますが、そこに彩りを添えることは苦手です。

その意味で魅せる記録を残すことに長けた木村の写真はピカイチだし、ロゴデザインを手掛けてくれた浅原のCoolな遊び心と瞬発力には、いつも助けられています。

すでにご存じの方も多いかもしれませんが、Try chanceのロゴデザインには実に多様なバリエーションがあります。

その数なんと10種類以上!当初はメンバー全員で1文字ずつ書くことで唯一無二のコミュニティを表現しようとしましたが、社会情勢の影響により断念。最終的にはメンバーの薦めもあって、僕が手書きしたものを浅原が本業のスキルを活かしてスタイリッシュにデザインしてくれました。

その舞台裏が気になるという方はロゴ紹介のページを覗いてみて下さい^^

やっぱり柱はRyo室空間!

書いてきたように、長野の講演会としてスタートした場所は、【Ryo室空間】と名前を変え、続けることで少しずつみんなの居場所になりつつあることをとても嬉しく思います(全員が同じ場所に集って撮影できたのは昨年の2月が最後ですが、結びつきは僕の想像を超えています)。

ここまで継続することができたのは間違いなく、イベントを楽しみに参加して下さっている皆さんと、いつも応援の声を届けて下さるたくさんの方々のおかげ。

Ryo室空間を通して挑戦のきっかけをシェアしたいと願った僕に、これまでたくさんのchanceを与えて下さっているすべての方に、この場を借りて改めて感謝を伝えたいと思います。本当にありがとうございます。

この状況に負けず、変化を恐れずにTryし続けられることがどれだけ幸せなことなのか。僕は日々「障害を忘れられる瞬間」を噛みしめながら、どうすればこの瞬間を(少しでもいいから)皆さんに届けることができるのかを常に考え続けてきました。

講演会という小さな1歩が次なる1歩を生み、創り方を模索しながら、常に根底にあったのは障害を感じていたって自分らしく生きられる、という想い。

今を見つめ、未来を見据えながら自分の経験を丁寧に伝えていく。

コロナの影響で旅ができないならせめてこの空間で叶えたい日常をイメージできる時間を作ろう!

生きていればきっと色々あるけれど、努めて前向きに生きていれば必ず楽しいことはある。見てくれている人はいる。だって、あなたも私も特別だから。

それぞれの道のりを1冊の本のように大切に編みながら、変化する今に備えて常に準備し、一緒に未来の行動を創っていく。

あの頃から少しずつ、だけど確実に増えた大切な仲間たちとともに歩むこれからの1年が、どんなものになるのか、そしてどんな出会いがあるのか。僕自身が誰よりも楽しみにしています。

楽しんで生こう!
挑戦すれば道は拓けると信じて。

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代表:長野への講演依頼はこちらから↓
https://try-chance.net/kouen/

このブログを書いた人

長野 僚
長野 僚Try Chance 代表
『障害を忘れられる瞬間』を掲げ活動する執筆家・講演家。脳性麻痺、1人暮らし10年目。2019年4月に本を出版。

2020年4月に『Try chance』を旗揚げ。「おかえり」といつでも言えるような温かい居場所『Ryo室空間』を創ることを目指している。 全国の子どもたちに元気を届けるのが次の夢!